COVID-19:表面で生きている時間

原文はこちら:【COVID-19 : Surface Survival Times】

COVID-19:表面で生きている時間

COVID-19流行とその後のパンデミックによって、私たちが世の中にどう対応するかが変わってきています。この疾病の原因であるウイルスが様々な物の表面でどのくらい生き延びられるのかを知れば、ダイバーたちはこの感染リスクをよりよく理解し、コントロールすることができるでしょう。この記事で検討するのは、ダイバーが気になるもの、たとえば、器材や作業台、調理台の表面でウイルスがどのくらい生きのびるか、それに、今後の器材消毒の役割についてです。

レンタル器材の清掃、特に口や顔に触れた器材は、確実に清掃して安全にしておくことは、これまでも常に大事な習慣となっていました。COVID-19が極めて伝染性が高いという特徴を持っているので、これまで以上に消毒が欠かせないものになっています。専門家によればCOVID-19は通常の業務が再開された後も、ワクチンが開発されるか多くの人が感染するまで、感染が広がり続けるだろうと予想しています。ダイビング業界は、今、新型コロナウイルスの生存時間に関する最善の情報を集めて、それを毎日の消毒手順に取り入れなければなりません。

このウイルスの生存時間は、簡単に除染できないような表面、たとえば、布地などの表面を考える場合に重要になります。COVID-19を引き起こすこのウイルスの研究は現在なお進行中で、研究者たちは答を探すのに、類似のウイルスについての知識を新型コロナウイルスに当てはめざるをえません。これらは極めて密接に関連しているので、2003年のSARS流行の原因となったコロナウイルスが、現在のウイルスの代替えウイルスとして研究されています。他の代替えコロナウイルス、たとえばヒト・コロナウイルス229Eなども解析されています。

ヒト・コロナウイルス229Eは、プラスチックの上で2-6日、スチール、ガラス、ポリ塩化ビニル、シリコン、テフロンTM、セラミックでは5日、ラテックスで8日まで、アルミニウムの上では2-8時間生存することが分かっています。1SARSウイルスは、プラスチックの上で9日まで、金属で5日、紙の上で4-5日、木材やガラスの上で4日生き残ることが分かっています。1 COVID-19を引き起こすウイルスであるSARS-CoV-2の研究では、このウイルスがプラスチックとスチールの上で2-4日、銅の上では4時間まで、飛沫(咳やくしゃみからの)中では3時間まで、段ボールの上で24時間であることが分かっています。2
布地の上でSARS-CoV-2がどのくらい生き残れるかに関するデータはほとんどありません。最もよいやり方は、類似した構造を持つ感染性の媒体について手に入る情報を基にして推論されています。新型コロナウイルスは、エンベロープ型のウイルスで、つまり、ウイルス粒子、すなわち、ウイルスが身体の外に出た場合にとる形態ですが、それが脂肪層に包まれていて、感染する際にそれを保護しているということです。このエンベロープが傷つけられるとか、乾燥してしまうと、ウイルスは死滅します。オーエスキー病ウイルスはデニムの上で1日までは生存しないことが示されています。3
しかしながら、このウイルスとSARS-CoV-2の唯一の類似点は、両方ともエンベロープ型だということだけです。専門家は、ウイルスの生存は、織物の多孔性によると考えています。孔がたくさんある織物は、ウイルス粒子を捉え、乾燥させ、バラバラに破壊するのがずっと簡単だと思われます。また、ウイルスは自然の繊維では短い時間しか生存できないが、合成繊維では長く生き残るともいわれています。4 繊維の上での生存時間に関するデータが無いため、SARS-CoV-2が合成繊維、たとえば、BCDやウェットスーツなどの上でどのくらい生き残るかを見積もるためのエビデンスは残念ながら不十分です。
さまざまな表面の上で各種のウイルスがどのくらい生き残れるのかという時間については、現時点では、まとまった合意はなされていません。そのため、消毒は — ソーシャルディスタンスを守るといった他の実施課題もあわせて— レンタル器材を使うダイバー同士のウイルス感染リスクを減らすのに依然として重要な役割を果たしています。


1. Kampf G, Todt D, Pfaender S, Steinmann E. Persistence of coronaviruses on inanimate surfaces and their inactivation with biocidal agents. Journal of Hospital Infection. 2020Feb6;104(3):246–51.
2. New coronavirus stable for hours on surfaces [Internet]. National Institutes of Health. U.S. Department of Health and Human Services; 2020 [cited 2020Apr17]. Available from: https://www.nih.gov/news-events/news-releases/new-coronavirus-stable-hours-surfaces
3. Pirtle E, Beran G. Virus survival in the environment. Revue Scientifique et Technique de lOIE. 1991Jan;10(3):733–48.
4. Leiva C. How Long Coronavirus Lives on Clothes, And How to Wash Them [Internet]. HuffPost. HuffPost; 2020 [cited 2020Apr20]. Available from: https://www.huffpost.com/entry/how-long-coronavirus-live-clothing-washing_l_5e724927c5b6eab779409e74

COVID-19罹患後のダイビング復帰に関するQ&A

COVID-19罹患後のダイビング復帰に関して、UHMS(UNDERSEA & HYPERBARIC MEDICAL SOCIETY:アメリカの高気圧潜水医学会)よりQ&Aが発表されましたので、日本語訳で紹介します。

原文はこちら:【Return to Diving Post COVID-19】

質問:

最近の記事、“Tauchen nach Covid-19-Erkrankung?(COVID-19罹患後のダイビング)”では、COVID-19に罹患したダイバーは、その後永久にダイビング適性がないと結論しています。この意見は潜水医学の専門家の共通認識でしょうか?どんなエビデンスがありますか?


答:

私たちはただ単に、現時点では、この症例研究によってなされた断定的な声明を支持あるいは否定のための十分なデータを持っていません。この一般誌に公表された1,2単一の症例研究(6症例)だけに基づいて、COVID-19の影響を概括しようというどのような試みも、適切な精査を受けるべきです。

COVID-19の症状は、軽症から重症まで幅があります。全く無症状の人もいますし、集中治療室での困難な滞在を余儀なくされたり、人工呼吸器管理が必要となる人もいます。一般誌に発表された最近の報告1,2は、COVID-19軽症例における肺の炎症に関して重大な懸念を生じています。この症例研究は、感染後の回復、特にダイビングの適性評価に関する潜在的な波及効果や、医学的な追及研究に関する勧告、さらにダイビング復帰に要する回復期間などに関する知見を報告しています。しかしながら、私たちはこの小規模な症例研究(6症例)を注意して解釈しなければなりません。というのは、この疾病の自然経過について私たちには十分な知識はなく、この単一の報告から確信を持って予後に関する指針を推定することも、これらの知見をCOVID-19の全ての症例に一般化することもできないからです。同様にこの報告だけで、感染後のダイビングの適性に関する具体的な医学検査やスクリーニングテストを求めることも、現在のところ根拠はありませんし、時期尚早です。

この疾病がどのように発現するか、その臨床的な経過や長期的予後に関する可能性のある変数のリストは長大で、基礎疾患や年齢、疾病の重症度、二次的な合併症といった要因も含まれるかもしれません。症例報告は正常対照群と無作為化を欠いているといった複数の設計上の弱点を有しており、より大きな集団に対して私たちが一般化したいあらゆる結論にも疑念を生じます。これらの知見には非常に不安にさせられますが、個々人の健康に対する潜在的な影響や、肺や心臓の機能に対する長期的な影響が査読を受けた論文として発表されるまでには時間が必要です。

COVID-19は、完全に元どおりになるまでに一定の回復期間(症状の重篤度に応じて数週間から数か月必要なプロセス)を要する他の重篤なウィルス性肺炎と共通の特徴をたくさん持っています。COVID-19の肺機能への長期的影響と回復期間は様々でしょうし、正確な予後を決定するための経験も不十分で、十分な臨床研究もありません。

潜水医学の世界がより多くの症例を経験し、この疾病を研究したり、患者が回復するまで追跡する機会を得れば、ダイビング適性を判断する思慮に富んだ方法を開発できるでしょう。単一の症例研究では、肺機能が非可逆的変化することやエア・トラップ(気道閉塞性)のリスクに関して決定的な声明を支持するには力不足です ― しかし、これらは潜水医学会において間違いなく強い興味がある領域であり、きちんと追跡されるでしょう。

これからの数か月を通して、世界の医学会はこの疾病の自然経過をもっとよく理解するでしょう。さらに、治療法やどうすれば罹患率と死亡率を低下させられるかに関する複数の研究が進行中です。
COVID-19は世界を締め付けていて、歴史上、これほど多くの人たちがたった一つの疾病について答を探しているといったことはありません。私たちはこの問題についての研究を引き続きモニタリングし、新しい情報を入手するにつれ、現在の立場をアップデートしてまいります。


1. Hartig, Frank. Tauchen nach Covid-19-Erkrankung? Wetnotes. April 15, 2020.
https://www.wetnotes.eu/tauchen-nach-covid-19-erkrankung/
2. (Translation of reference 1). Bandera County Courier. Medic sees evidence of serious
long-term lung damage. April 18, 2020.
https://www.bccourier.com/medic-sees-evidence-ofserious-long-term-lung-damage/
3. Hughes, Russel. COVID-19 potential impact on divers. Advanced Diving NZ. April 21,
2020.
https://www.advanceddivingnz.com/advanced-diving-blog/2020/4/21/covid-19-potential-impact-ondivers?fbclid=IwAR2bhP-kXvUYCKNQu8a-tpzlMQf6YKX2m1AlPlYYZadEYrWGZKu0sroTCEk.

COVID-19後のダイビング:今わかっていること

原文はこちら:【Diving After COVID-19:What We Know Today】

COVID-19後のダイビング:今わかっていること

COVID-19の症状は軽度から重度まで様々です。症状が全くない場合もあれば、回復のために換気補助をともなうICUでの合併症に対応した入院が必要な場合もあります。一次ウイルス感染の影響に加えて、基礎疾患、年齢、二次合併症などの要因が回復に影響を及ぼします。

COVID-19は他の重篤なウイルス性肺炎と多くの特徴を共有し、正常な活動に戻る前に回復期間を必要とします。回復に要する時間は様々で、肺機能などのCOVID-19の長期的影響も同様です。情報が得られ次第、COVID-19の予防、治療、およびフォローアップのガイドラインに組み込まれる予定です。

COVID-19感染後にダイビングに戻る適性があるかどうかを決定するには、担当の医師団によって、完全に回復していることと激しい活動を何ら制限を受けずに行っても安全なことを検査して確認する必要があります。

かかりつけの医師がダイビングの専門医に相談する必要がある場合は、DANの医師がお手伝いします。ダイビングドクターのデータベースもありますし、紹介することもできます。月曜から金曜まで、東部標準時の午前9時から午後5時まで、+1(919)684-2948までお電話ください。

さらに、COVID-19感染から回復した全てのダイバーは最新の情報を求めてDANに電話することを強く勧めます。必ず、全ての推奨された予防策に従い、安全を保ち続けてください。

【DAN JAPAN】
○医療相談
https://www.danjapan.gr.jp/service/medical/infoline
○ダイバーズドクターネットワーク(DDNET)
https://www.danjapan.gr.jp/service/medical/sddnet

DAN酸素器材及びスクーバ器材でのCOVID-19への対処

原文はこちら:
【DAN Oxygen Units and Treating COVID-19】
【Scuba Units: Not Suitable Substitutes for Ventilators】

DAN酸素器材とCOVID-19への対処

個人用の酸素器材をCOVID-19にかかった人に使えるかとDANに問い合わせてくるダイバーの方がいらっしゃいます。この危機的状況の中で援助の手を伸ばそうというダイバーたちの熱意には心から敬意を表しますが、DANでは、この緊急用の酸素器材をダイビング傷害、および、いわゆる溺れ以外の症状で、医療の専門家ではない者が使用することには賛成できません。

現在のような状況においても、こうしたガイドラインを遵守することは重要です。なぜなら、一般のプロバイダーは、とりわけ、併存症の可能性や禁忌(これにはいくつかの呼吸器疾患が含まれます)、ウィルスの伝染性の強さなどについてよく知らないからです。
DANの酸素器材と酸素プロバイダートレーニングは、スクーバダイビングでの傷害と、いわゆる溺れという事態のみを対象にしています。COVID-19の重篤な患者に対処するためには正しい換気量で必要な時間換気を続ける必要がありますが、ボタン操作ができる換気装置(MTV-100)を使う場合でも、そうすることは事実上不可能です。重篤な呼吸障害がある患者では、侵襲性の換気手段(すなわち、気管内挿管または喉頭用マスク)で連続換気と呼気終末陽圧(PEEP)を使う必要があるかもしれませんが、こうしたものはファーストエイド機器ではどれも可能ではありません。


スクーバ器材:換気装置には適していない


DANには、スクーバ器材をCOVID-19との闘いに使えないかという問い合わせがいくつか来ています。残念ながら、スクーバ器材は換気装置として使うには適していません。医療機器でないものを、肺の疾患を持つ人に対する処置に使わないようにしてください;そうしたことで、患者が重篤な傷害を受けるか、死亡する場合もあります。3月22日に、合衆国の「食費医医薬品局(FDA)」が、換気装置の不足を緩和する助けになる、安全で効果的な確かな医療機器を使用することに関するガイドラインを公表しました。詳細については、以下を参照してください。Ventilator Supply Mitigation Strategies: Letter to Health Care Providers または、以下に連絡してください。 DeviceShortages@FDA.HHS.Gov.

CPRと新型コロナウイルス感染症

原文はこちら:【CPR and COVID-19】

ほとんどの人が知っているように、新型コロナウイルス感染症は感染者の体液の飛沫に接触することで感染します。CPRで胸骨圧迫を行うと飛沫が飛びますが、これは咳をする場合と同じことです。
無症状の人でもウイルスを運搬して拡散する可能性があるため、居合わせた人が介入してCPRを行う際に、ウイルスに感染するリスクを判断することはほとんど不可能です。
居合わせた人が救急医療サービスを要請することしかしない場合、傷病者が生存する可能性は非常に低くなるでしょう。しかし、介入によって生存の可能性は大幅に改善されるでしょう。とはいえ、救助者が新型コロナウイルス感染症に曝露されるリスクも増大するでしょうから、結局のところ、行動するかどうかの決定は困難で個人的な判断となります。介入する必要があると判断した場合は、次の手順を実行することをお勧めします。


1. まず救急医療サービスを要請し、新型コロナウイルス感染症が疑われる場合は、その疑いを伝えます。脈拍と呼吸を評価する際には、すばやく胸部の動きと皮膚と爪床のピンク色(“ピンク”は肌の色に関係なく使えます)かどうか正常な呼吸があるかをチェックします。耳や頬を相手の口に近づけないでください。²

2. CPRを行う必要がある場合は、適切な個人用保護具(PPE)を確実に用意してください。これには手袋、保護眼鏡、フェイスマスク、ガウン(利用可能な場合)が含まれます。1,3

3. 疾患が感染するリスクがあると思われる場合は、胸骨圧迫のみのCPRが成人の標準的な手順となります。感染のリスクがあると判断され、胸骨圧迫のみのCPRを行う場合は、傷病者の鼻と口にフェイスマスクまたは布(バンダナ、Tシャツ、タオルなど)を当ててください。1,2
こうすることでCPRの際に飛沫が飛び散るのを軽減することができます。

4. ポケットマスクまたはバックバルブマスク(BVM)があるなら、これらを使用するとよいでしょう。可能であればBVMには呼気用の高効率微粒子空気フィルター(HEPAフィルター)を装着すべきでしょう。1,3
ポケットマスクを使用する場合は、マスクをゴムひもで所定の位置に固定するようにしてください。4

5. 処置が終わったら適切な消毒剤を使用してその場所を清掃し、手を隅から隅まで洗います。顔を触らないようにして、家に帰ったらシャワーを浴びたり、服を洗ったり、靴を消毒することを考えてください。


CPRを必要とする小児では、胸骨圧迫と人工呼吸を行うのが最善の方法です;小児の心停止の最も一般的な原因は、窒息や溺水などの事象に起因する呼吸困難であるためです。しかし、ポケットマスクやBVMなどの適切なバリアがなくても、胸骨圧迫のみのCPRを行うことができます。4
心臓が止まった小児や乳児のほとんどは、家族や友人からCPRを受けます。もしあなたがその子供と無関係であれば、人工呼吸をするかどうか自分で決める必要があります。
新型コロナウイルス感染症のパンデミックの最中でも、AEDの使い方は変更されていません。AEDは、こうした緊急事態が生じた場合には、できるだけ早く使用すべきですが、その際には、あなたのうけたトレーニングに従って、またAEDの指示の通りに行ってください。


(開催中止)【Seminar】ダイビング安全講習会の開催決定!

【重要】「DAN JAPANダイビング安全講習会」の中止について

新型コロナウイルス感染症に関し、政府及び関係機関等から提供される情報を基に状況を注視してきましたが、4月以降につきましても感染症が終息していない可能性が考えられることから、開催を予定しておりました「DAN JAPANダイビング安全講習会」については、参加者及び関係者の健康・安全面を第一に考え、やむなく中止させていただくことに致しました。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。

「ダイビング安全講習会」を全国6会場で開催します。
本年のテーマは「ダイバーとしての知識を深めよう ― 潜水医学・海の環境・海の安全について -」です。
DAN JAPAN会員の方は無料で聴講できますので、ぜひご参加ください。

【重要】セミナー開催における新型コロナウイルス対策について


【参加費】
DAN JAPAN会員(一般/インストラクター/スポンサー):無料
パートナーシップメンバー:無料
安全潜水管理者:無料
※DAN JAPAN会員の方は必ず会員証をご持参ください。

【申込方法】

メールにて、①会員番号②お名前③参加予定会場をお送りください。
■申込先:(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会(DAN JAPAN)
mail:info@danjapan.gr.jp
※電話またはFAXでもお申込みいただけます。(TEL:045-228-3066/FAX:045-228-3063)


【第1回】東京会場
日  時:令和2年4月4日(土) 13:20~17:00
場  所:としま区民センター7階(701-702-703会議室)
東京都豊島区東池袋1丁目20-10
アクセス:https://www.toshima-mirai.or.jp/center/a_kumin/
講  師:藤原 秀一 先生(いであ株式会社 技術顧問/元海中公園センター)
鈴木 信哉 先生(亀田総合病院 高気圧酸素治療室 室長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第2回】札幌会場
日  時:令和2年4月11日(土) 13:00~17:00
場  所:札幌駅前ビジネススペース 2-B
北海道札幌市中央区北5条西6丁目1-23 第二北海道通信ビル2階
アクセス:http://sebs.pw/access.html
講  師:田中 準 先生(環境省北海道地方環境事務所 国立公園課長)
藤田 智 先生(旭川医科大学 医学部 教授/救急救命センター センター長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第3回】大阪会場
日  時:令和2年4月18日(土) 13:00~17:00
場  所:貸会議室 プランセカンス
大阪府大阪市淀川区西中島4-2-26 天神第一ビル605号室
アクセス:https://www.spacemarket.com/spaces/3BEFURna393-iAi4/rooms/wN3KfdN5qQqma4AK
講  師:高橋 明子 先生(環境省近畿地方環境事務所 国立公園利用企画官)
近藤 美紀子 先生(医療法人近藤眼科 理事長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第4回】名古屋会場
日  時:令和2年4月19日(日) 13:00~17:00
場  所:貸会議室イールーム名古屋駅前A
愛知県名古屋市中村区名駅3-12-14 今井ビル5F
アクセス:https://www.spacee.jp/listings/10975
講  師:中嶋 清徳 先生(名古屋港水族館飼育展示第一課 課長)
近藤 美紀子 先生(医療法人近藤眼科 理事長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第5回】沖縄会場
日  時:令和2年4月25日(土) 13:00~17:00
場  所:沖縄青年会館1階(珊瑚の間)
沖縄県那覇市久米2-15-23
アクセス:http://www.okiseikan.or.jp/user.php?CMD=1154016000000
講  師:広野 行男 先生(環境省沖縄奄美自然環境事務所 国立公園保護管理企画官)
清水 徹郎 先生(南部徳洲会病院 高気圧治療部長/救急診療部長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第6回】福岡会場
日  時:令和2年4月26日(日) 13:00~17:00
場  所:エイムアテイン大博通り貸会議室3A
福岡県福岡市博多区博多駅前1-11-27 峰ビル3階
アクセス:https://aimattain.jp/access.html
講  師:高田 浩二 先生(海と博物館研究所 所長)
山見 信夫 先生(医療法人信愛会山見医院 副院長)
海上保安庁講師(現在調整中)

(開催中止)【Seminar】ダイビング安全講習会の開催決定!

【重要】「DAN JAPANダイビング安全講習会」の中止について

新型コロナウイルス感染症に関し、政府及び関係機関等から提供される情報を基に状況を注視してきましたが、4月以降につきましても感染症が終息していない可能性が考えられることから、開催を予定しておりました「DAN JAPANダイビング安全講習会」については、参加者及び関係者の健康・安全面を第一に考え、やむなく中止させていただくことに致しました。
何卒、ご理解のほどよろしくお願い致します。

「ダイビング安全講習会」を全国6会場で開催します。
本年のテーマは「ダイバーとしての知識を深めよう ― 潜水医学・海の環境・海の安全について -」です。
DAN JAPAN会員の方は無料で聴講できますので、ぜひご参加ください。

【重要】セミナー開催における新型コロナウイルス対策について


【参加費】
DAN JAPAN会員(一般/インストラクター/スポンサー):無料
パートナーシップメンバー:無料
安全潜水管理者:無料
※DAN JAPAN会員の方は必ず会員証をご持参ください。

【申込方法】

メールにて、①会員番号②お名前③参加予定会場をお送りください。
■申込先:(一財)日本海洋レジャー安全・振興協会(DAN JAPAN)
mail:info@danjapan.gr.jp
※電話またはFAXでもお申込みいただけます。(TEL:045-228-3066/FAX:045-228-3063)


【第1回】東京会場
日  時:令和2年4月4日(土) 13:20~17:00
場  所:としま区民センター7階(701-702-703会議室)
東京都豊島区東池袋1丁目20-10
アクセス:https://www.toshima-mirai.or.jp/center/a_kumin/
講  師:藤原 秀一 先生(いであ株式会社 技術顧問/元海中公園センター)
鈴木 信哉 先生(亀田総合病院 高気圧酸素治療室 室長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第2回】札幌会場
日  時:令和2年4月11日(土) 13:00~17:00
場  所:札幌駅前ビジネススペース 2-B
北海道札幌市中央区北5条西6丁目1-23 第二北海道通信ビル2階
アクセス:http://sebs.pw/access.html
講  師:田中 準 先生(環境省北海道地方環境事務所 国立公園課長)
藤田 智 先生(旭川医科大学 医学部 教授/救急救命センター センター長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第3回】大阪会場
日  時:令和2年4月18日(土) 13:00~17:00
場  所:貸会議室 プランセカンス
大阪府大阪市淀川区西中島4-2-26 天神第一ビル605号室
アクセス:https://www.spacemarket.com/spaces/3BEFURna393-iAi4/rooms/wN3KfdN5qQqma4AK
講  師:高橋 明子 先生(環境省近畿地方環境事務所 国立公園利用企画官)
近藤 美紀子 先生(医療法人近藤眼科 理事長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第4回】名古屋会場
日  時:令和2年4月19日(日) 13:00~17:00
場  所:貸会議室イールーム名古屋駅前A
愛知県名古屋市中村区名駅3-12-14 今井ビル5F
アクセス:https://www.spacee.jp/listings/10975
講  師:中嶋 清徳 先生(名古屋港水族館飼育展示第一課 課長)
近藤 美紀子 先生(医療法人近藤眼科 理事長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第5回】沖縄会場
日  時:令和2年4月25日(土) 13:00~17:00
場  所:沖縄青年会館1階(珊瑚の間)
沖縄県那覇市久米2-15-23
アクセス:http://www.okiseikan.or.jp/user.php?CMD=1154016000000
講  師:広野 行男 先生(環境省沖縄奄美自然環境事務所 国立公園保護管理企画官)
清水 徹郎 先生(南部徳洲会病院 高気圧治療部長/救急診療部長)
海上保安庁講師(現在調整中)


【第6回】福岡会場
日  時:令和2年4月26日(日) 13:00~17:00
場  所:エイムアテイン大博通り貸会議室3A
福岡県福岡市博多区博多駅前1-11-27 峰ビル3階
アクセス:https://aimattain.jp/access.html
講  師:高田 浩二 先生(海と博物館研究所 所長)
山見 信夫 先生(医療法人信愛会山見医院 副院長)
海上保安庁講師(現在調整中)

【Incident Report】ダイビング後の回転性めまい

[報告されたケース]

65歳の女性ダイバーがその日2本目のダイビングから浮上後、10分以内に激しいふらつき感、回転性めまい、吐き気/嘔吐の症状が出ました。
一緒にいたダイバーがDANの緊急ホットラインに電話し、対応した医療担当者は現場の神経検査を行うようにアドバイスしました。そして、回転性めまいによる歩行困難、右目の痙攣(けいれん)が判明しました。

【ダイビングプロフィール】
1本目>> 水深29m/30分 35%ナイトロックス使用 水面休息時間1時間10分
2本目>> 水深24m/45分 34%ナイトロックス使用
※2本のダイビングは共に安全停止を実施
※5mmフルウェットスーツ着用、ボートダイビングで0.6m~1.2mの波あり

めまいが出てから水以外は何も口にしていません。

電話をかけたダイバーによると、彼女はいつもより耳抜きに問題があり、鼓膜を破ったことが何度かあるけれども、このダイビングについては潜降・浮上で明らかな問題はなかったということでした。めまいと吐き気/嘔吐以外の症状はありませんでした。

彼女は症状が出てからおよそ90分で最寄りの医療センターに運ばれ、U.S.Navy治療表6に従って高気圧酸素治療が行われました。5時間の治療後でも症状は改善しませんでした。

[専門家からのコメント]

回転性めまいとは、実際には動いていないのに、自分自身もしくは自分の周囲が回転しているという感覚です。自分が回転している渦を巻いている落下している、あるいは傾いているように感じるかもしれません。水面浮上後に持続性のめまいと嘔吐がある場合、脳や耳が関係している事態、例えば内耳減圧症(DCS)、内耳圧外傷または脳卒中などの可能性があります。

ダイビング後の発症時間によって、症状がダイビングによって引き起こされたものである可能性が高まります。眼振がある場合、通常は前庭機能障害が考えられます。今回、めまいが発症するのに水面浮上後約10分経過しているため、圧外傷も選択肢に入れるべきですが、DCSだと思われます。

内耳の前庭器官はバランス(平衡)をコントロールしている機構の一部で、その器官が適切に機能しないと、間違った信号が脳に送られ、めまいを引き起こします。ダイビング後の前庭機能障害によるめまいの場合、内耳減圧症(DCS)か内耳圧外傷のどちらかによる前庭機能障害の可能性があり得ます。
内耳減圧症(DCS)には高圧酸素治療が必要ですが、一方で内耳圧外傷は圧力下の治療で症状が悪化する恐れがあります。

DANではこのダイバーの追跡調査を試みましたが、連絡が取れませんでした。
治療した病院にも連絡をしてみましたが、限られた情報しか得られませんでした。担当医師は内耳圧外傷の可能性を除外し、内耳減圧症(DCS)に対する治療を行ったようです。

初回U.S.Navy治療表6の治療を受けましたが、症状は改善されなかったため、引き続き1日2回のU.S.Navy治療表9の治療をさらに3日受け、多少の改善が見られました。
発症から4日、症状は改善しましたが、患者はまだめまいを訴えました。介助なしにゆっくり歩くことはできるようになりましたが、運転はできませんでした。

退院時、片目が完全に正常ではないこと、そして聴力の低下が症状として残っていました(以前よりこのダイバーは補聴器を使用していました)。
彼女のバディによると、発症後90日後に耳鼻咽喉科医がダイビングを許可し、それ以降10~15ダイブしているそうです。視力の変化と聴力低下が症状として残っています。
回復に長い時間がかかるのは、内耳に何らかの回復不能な障害がある可能性を示します。

日常生活においては、時間の経過につれて損傷器官の代替ができあがるかもしてませんが、ダイビングをするのは危険かもしてません。そのため、ダイビングで内耳障害が発現した後には徹底的に内耳の検査を行ってからダイビングに復帰しなくてはなりません。

-Lana sorrel, EMT, DMT