【Medical FAQ/医療相談】うつ病でのダイビング

【Medical FAQ/医療相談】うつ病でのダイビング

相談内容

質問者:女性・40歳
現在、うつ症状との診断により、エチゾラム0.5mg(1日3回)、セニラン3mg(外出するときは夜1錠のみ、終日出かけない時は1日3回)服用しています。
これまで服用後も短期、長期での飛行機を利用しての外出はしており支障を感じたことがありませんが、これらの薬を服用してから初のダイビングを週末予定しているため、ダイビングを行うにあたって服用に関し注意すべき事項をお伺いしたく、相談をさせて頂きました。恐れ入りますが、ご教示頂きたく、どうぞよろしくお願い致します。

◆医師からの回答

エチゾラム(デパス)、セニランは共にベンゾジアゼピン系の薬です。抗不安作用があり、うつ病に伴う不安症状に用いられます。残念ながら、これらの薬と潜水との関係(潜水中に薬の効きが強くなるないしは弱くなる等)について調べられた論文は見つかりませんでした。

ただし、潜水適性を考えるにあたり、投薬内容も考慮すべき一つですが、それよりもうつ病のコントロール状況がどうなっているかが重要です。例えば健常人でも不安はあるものです。崖の端に立つ、潜水でいえば深場に行く等において一定の不安を持つことは大事なことであり、それによって危険を回避することが出来ます。

不安感は有り過ぎても無さ過ぎても問題です。質問者が予期せぬアクシデントにも適切に対応できる精神状態に有るのか否かは主治医による注意深い観察が必要でしょう。ベンゾジアゼピン系の薬には催眠作用もあります。現在投薬で日常生活は問題なくおくれているようです。しかし、危険な運動の可否について主治医に相談されたことはあるでしょうか。
潜水に詳しくない医師であれば、特に潜水でなくても良いです、例えばハンググライダー等、ちょっとした判断の誤りが生命の危機に直結するような運動でも主治医は許可されているでしょうか。エチゾラム、セニラン共に、眠気、注意力低下などの問題があり車の運転、危険を伴う機械の操作は避けることが推奨されています。

ただし、だからといって潜水にあたって必要な服薬を止めることは、その疾患の性質上も勧められません。例えば、薬を止めることでパニック発作を起こしやすくなるとすると、その方が危険です。

いずれにせ、うつ病の潜水是非についてゴールデンスタンダードはありません。主治医とよく相談されることを勧めます。

◆事務局からの回答

今回の質問者様とは状況が異なるとは思いますが、以前DANブログにおいて「睡眠障害患者のダイビング可否」についても同様に①薬の問題②病気の問題の2つの観点から回答されていますので、よろしければ参考になさってください。
▶DANブログ:↓クリックで開きます
【Medical FAQ/医療相談】睡眠障害のダイビング可否
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