【Medical FAQ/医療相談】脳梗塞発症後のダイビングは不可能?

【Medical FAQ/医療相談】脳梗塞発症後のダイビングは不可能?

◆相談内容◆

質問者:女性・40代

私は、以前10年ほどダイビングを楽しんできたのですが、6年前に若年の脳梗塞を発症してしまい、以来一度も潜っておりません。後遺障害は失語程度で、運動能力にはほとんど影響ありませんが、できればもう一度海に入りたいと願っています。

ところが、現在バイアスピリンを定期的に処方してくれる主治医に相談しても、危なそうですね、と一蹴されるばかりで取り合っていただけません。もう潜ることはできないのでしょうか。

◆医師からの回答◆

詳細は不明ですが、一般的には脳梗塞の既往がある方は、再度脳梗塞を発症しやすいです。
このため、バイアスピリンが継続されているものと推察します。服薬により、再発リスクは逓減(時間の経過とともに少しずつ減っていくこと)すると考えられるため、明らかな血管狭窄などがなければ、脱水に気をつけた上での陸上でのスポーツ活動は許可されることが多いのではないか、と思います。

ただし、ご存知のように水中には独自のリスクがあります。
つまり、陸上では問題とならないような脳梗塞の発症が、水中では致命的となる可能性もあります。

また、本件では失語症が残ったようですが、その場合、脳梗塞の部位は比較的表層であることが推察されます。脳の深い部分に比べ、浅い部分の梗塞ではてんかんのリスクが高まります。6年間てんかん発作を生じていないのであれば、今後生じる可能性は少ないかもしれませんが、0とは言えないと思います。
脳梗塞同様、水中でのてんかん発作も致命的になり得ます。

以上より、主治医として積極的にダイビングを勧める状況に無いのではないかと思料します。最終的には主治医のリスク評価を理解した上での判断となると考えます。

【DAN JAPAN事務局より】
DANJAPANではダイビングに理解のある医師のネットワーク(DDNET)を構築し、一般に公開しています。全ての医師が潜水に精通している訳ではないため、主治医に相談が難しい場合にはご本人の判断材料の一つとして、DDNETに登録の医療機関(医師)の診断等を仰いでみるのも良いかと思います。

DAN JAPAN DDNET → こちら
*受診を希望する分野について対応が可能か、必ずご確認のうえ受診するようにしてください。

―DAN JAPANメディカルチーム

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