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【安全情報】クラゲに注意!

【安全情報】クラゲに注意!

「お盆以降はクラゲが出る」?
気を付けたいクラゲや、予防法、応急処置などについて再確認しよう

ダイビング中、クラゲに刺された経験のあるダイバーは多いと思います。
毎年海水浴中のクラゲ被害が多く報告されていますが、近年は海水温の上昇などの影響でシーズンに関係なくクラゲが出現し、発生エリアも広くなってきているとの情報もあります。
このため、お盆とは関係なく注意が必要です。

クラゲには様々な種類がいますが、強い毒性を持つクラゲは心肺停止に至ることもありますので、予防や応急手当の方法について再確認してください。

【特に注意したい猛毒を持つクラゲ】

クラゲの種類・特徴 学名/英名
【アンドンクラゲ】

<写真:(一財)日本ライフセービング協会より>
●特徴:
立方体の傘部は2cm~3cm、薄桃色の触手が20cm程度伸びている。触手を除き体全体がほぼ無色透明。大潮の時など、多数の群れを作る。お盆前後に海水浴場で遭遇するのはアンドンクラゲが多い。
●刺されると?:
刺されると激痛を感じ、患部はミミズ腫れのようになる。アンドンクラゲに複数回刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性があるので注意が必要。
●アンドンクラゲの仲間(箱虫綱):「ハブクラゲ」「ヒクラゲ」など。毒性が強い。オーストラリアでは大型の「キロネックス」が分布しており、死亡事故が発生している。
【ハブクラゲ】
学名:Chironex yamaguchii/英名:Habu Jellyfish
[学名]
Carybdea brevipedalia
[英名]
Box Jellyfish
【カツオノエボシ】

●特徴:
大きさ約10cmの透き通った藍色の浮袋を持ち、海面下に伸びる触手は平均10m、長いもので約50mになる。
●刺されると?:
非常に危険。触手に強力な毒を持ち、刺されると強烈な電撃を受けたかのような激痛がある。
患部は炎症を起こして腫れ上がり、痛みは長時間続く。2度目に刺されるとアナフィラキシーショックを起こす可能性がある。
カツオノエボシに刺されて、数分から15分ぐらいで発症する。症状は様々で、全身性じんましん、くしゃみ、せき、呼吸困難、悪心、脱力感、心臓のどきどき感、不安感などが出る。ショック死する危険性もある。
[学名]
Physalia physalis
[英名]
●Portuguese Man O’ War
●Floating Terror
【アカクラゲ】

●特徴:
放射状の褐色の縞模様が走る直径9-15cm程度の傘と、合計で40-56本の長さ2m以上の触手を持つ。
乾燥すると毒のある刺糸が舞い上がり、鼻に入るとくしゃみを引き起こすため、「ハクションクラゲ」という別名を持つ。また、縞模様から「連隊旗クラゲ」とも呼ばれる。
●刺されると?:
触手の刺細胞は強く、刺されるとかなり強い痛みを感じる。
[学名]
Chrysaora Pacifica 
[英名]
Japanese Sea Nettle

クラゲは刺されないように予防することが大切
肌の露出を押さえ、クラゲを見かけても近寄らないようにしよう

ダイビング中も、水面移動の際や、スノーケリングをしている時などは特に注意が必要です。
水温が高くなり、露出の多い状態でマリンスポーツを楽しむ方が多くなるこの季節。クラゲの被害に遭わないためには、できる限り肌の露出を避けるなどの対策が必要です。

予防法その①:肌の露出を減らす
→ウエットスーツやラッシュガードを着用することにより、クラゲに刺される可能性のある範囲を狭くしましょう。着用することで日焼け防止にもつながります。
予防法その②:クラゲがいない海水浴場を選ぶ
→海水浴場によっては、クラゲ侵入防止ネットを張った海水浴場があります。高波などで、侵入を完全に防ぐことはできませんが、何もない場所よりは、被害に遭う危険性が低くなります。
※クラゲ防止ネットには、切れた触手が絡まっている可能性もありますので、触らないようにしましょう。海岸に打ち上げられたクラゲに刺される場合もありますので、注意が必要です。
予防法その③:見かけても近寄らない
→傘の部分が見えても、水中では触手が見えにくいことも多いです。数十mもの長い触手を持つクラゲもいるので、十分に注意してください。

もし刺されてしまったらどうする?
酢が逆効果になるクラゲの種類もいるので注意

万が一クラゲにさされてしまった場合には、まず応急処置を行い、医療機関での受診をお勧めします。

応急手当その①:触手を抜く(触手が視認できるほど残っている場合)
触手が残っている場合には、再度刺される場合があります。手袋やピンセット、もしくは身近にない場合にはハンカチなどを当てて抜いてください。
応急手当その②:洗い流す
海水で、刺胞を刺激しないよう優しく洗い流します。(真水だと刺胞が活性化してさらに悪化する場合があるので注意が必要です。)
応急手当その③:温める、冷やす
●温める
クラゲ毒の主成分はタンパク質毒素で、40℃以上の熱に弱い特徴があります。刺された箇所を40℃以上のお湯に浸けると痛みが軽減されます。
温めることで悪化するクラゲの種類は存在しません。
●冷やす
刺された箇所は腫れて熱を持つため、冷やすことで血管を収縮させ、痛みが和らぎます。冷やす場合は、冷たいペットボトルの飲み物や、氷水を入れたビニール袋などを当てて冷やしてください。
応急処置の後は?:
応急処置がすんだら、医療機関での受診をお勧めします。

【応急手当の注意点】
●アナフィラキシーショック:
クラゲ類の刺胞毒の多くはタンパク質毒素であり、上記のようなクラゲに複数回刺された場合には、アナフィラキシーショックを起こす可能性があるので注意が必要です。
アナフィラキシーショックは、受傷後10分から15分経ってから起こる場合があり、溺水につながる可能性があります。このため、海から上がり応急処置をすることが理想です。
ダイビング中に刺された場合は、まずはガイドに伝え、強い症状が出ているのであればダイビングを安全に中止するよう、リクエストするのが良いでしょう。
●「酢」を使用した対処:
酢は、アンドンクラゲやハブクラゲ、キロネックスなどのハコクラゲ(箱虫綱)には有効です。刺糸が発射されていない刺胞に作用し、不活性化します。
しかし、体内に既に入ったタンパク質毒素(タンパク質を溶かす)や溶血性毒、神経毒などは不活性化しません。
また、カツオノエボシやアカクラゲの応急処置に使用すると、刺胞を活性化されるといわれているため、刺されたクラゲの種類が判らない場合に「酢」の使用は禁忌です。
刺胞毒の反応はアレルギー症状で、個人差があります。刺された跡を見て、何のクラゲに刺されたか判断するのは困難です。

<出典>【一般財団法人 日本ライフセービング協会(知ってほしいWater Safety)】